フォントの種類について
デザインで使われるフォントには、和文フォントと欧文フォントがあり、ここでは和文フォントについて紹介したいと思います。
和文フォントのなかにも数千種類のフォントがありますが、基本的には「明朝体」「ゴシック体」「筆書体」「デザイン書体」に分けられます。
ここではこの4つのフォントの特徴について紹介します。
【存在感をアピール】
明朝体は、筆のタッチがあり、「ウロコ」と呼ばれる三角のアクセントがつきます。主に教科書や新聞に使われることが多く、厳格なイメージのあるデザインと長文に適しています。
字の縦線と横線が異なる太さで描かれているのが特徴で、画数が多い漢字を小さいサイズで使用しても、黒くつぶれにくいという性質を持ちます。また、縦書きで使用した際には、太い縦線が視線を導いてくれるといった効果もあります。線に強弱があるため文字の形を判別しやすく、長い文章を読んでも疲れを感じにくいという特徴があります。
【ゴシック体の特徴】
ゴシック体は、明朝体と対照的に「ウロコ」がなく、字の縦画と横画が同じ太さで描かれるのが特徴です。そのクリーンでモダンな外観から、さまざまな用途で広く使用されています。
線の太さが均一のため、遠くから見ても分かりやすく可読性が高いという性質を持っています。しかし、太い字体を使うと場合によっては文字が潰れたり、長い文章では、全体的に黒の割合が多くなり、可読性が下がるなどの注意点もあります。
【筆書体・デザイン書体】
書道やカリグラフィーのような筆で書かれたような流れるような筆跡を再現したフォントです。「ハネ」「はらい」があり、筆で書いた躍動感があります。和風、伝統的なイメージで、居酒屋の看板、お茶のパッケージや年賀状などに使われる事が多いです。
デザイン書体は、明朝・ゴシックといった書体カテゴリに属さない、個性的なデザインの書体のことを指します。 ユニークなデザインのものもある一方で、明朝体のようなデザイン書体、ゴシックのようなデザイン書体もあり、その明確な定義が難しいジャンルと言えます。個性が強く印象に残りやすいですが、長い文章には向かない場合が多いフォントです。
印象・メッセージを与える
フォントは視覚的なメッセージを強化し、意図やイメージを伝える力があります。
明朝体には、真面目で信頼できる印象を与える効果があることから、公文書や書籍等でよく使われます。
一方でゴシック体は、クリーンでモダンなデザインが専門性とスタイリッシュな印象を与えることから、ビジネス資料やデジタルメディアでよく使われます。
筆書体は、和風、伝統的、高級感などの印象を与えます。
フォントを適切に選択できれば、重要なメッセージを強調し、見る人に効果的にコンテンツを印象付けることができます。
読みやすさへの影響
ウェブサイトの訪問者がコンテンツを快適に読み進めるためには、フォントのサイズや余白の大きさなどに気を配りながら適切なものを選ぶ必要があります。
今はPCだけでなくスマホなど小さいデバイスでもWEBサイトを閲覧することが多くなりました。スマホで見た時に、文字が潰れずに読みやすいフォントを選ぶことで、どのデバイスでもユーザーに同じ体験・印象を与えることができます。
長文の場合は読み進めても疲れを感じにくいフォントを選んだり、文字の余白を調整することが求められます。
WEBサイトの実例からフォントの使い方を解説
【明朝体フォントを使用したサイト】
菓匠 青柳正家https://aoyagiseike.jp/
弊社が制作した東京・向島にある昭和23年(1948年)創業の和菓子屋「菓匠 青柳正家」様のECサイトでは、「游明朝」を使用しました。明朝体を使用することで、歴史を持つ和菓子屋の「文化・歴史」「伝統的な雰囲気」などの印象を与えることができます。
【ゴシック体フォントを使用したサイト】
TCC(槌屋ヤックカークリーン)https://yac-tcc.com/
弊社が制作した自動車の洗車・コーティングサービス「TCC(槌屋ヤックカークリーン)」のWEBサイトでは、ゴシック体である「Noto Sans JP」を使用しています。
太いゴシック体を使用することによって、見る人にサービスのブランドイメージである「カッコよさ」「力強さ」「清潔感」という印象を与えます。
まとめ
今回はフォントの種類と効果からWEBデザインにおけるフォントの重要性を解説しました。
フォントにはそれぞれが持つ特徴と、それが読み手に与える印象と影響があります。それらを正しく理解し、フォントを選ぶことで見る人により効果的にコンテンツを印象付けることが出来ます。
もし今回の記事でフォントについて興味を持っていただけたら、これからはWEBサイトや街のポスター、看板などを見かけたときに、ぜひフォントにも注目してその意図や印象について考えてみるのもいいのではないでしょうか。